ナイン恋愛2

ナイン恋愛の続き。
同人とかそういうのが不得手な方は
 
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ナイン恋愛2

 
 
相変わらずヤンキー田中さんはヤンキーだったけど優しかった。
 
 
「雑誌はこーやって入荷してくるけん。いっこずつほどいてこの棚に並べると」
「はいっ」
 
 
でもやっぱりちょっと恐いから返事もハキハキしちゃうのです…。
 
  *****
 
 
「いらっしゃいませ〜。ってなんだガキさんか…いらっしゃいませって言って損したの」
「ちょっとさゆみん。一応アタシもお客様なんだから…
 ところで…あそこで田中っちとふしだらにいちゃこらしてるのは新人バイト??」
「いちゃこらって…ただ雑誌の並べ方を教えてるだけなの…」
「雑誌の並べ方!!!!!それはアタシの出番なのだ!!!!!」
あっちょっ、ガキさ…って…もう、れいなと本の事になると手がつけられないの…」
 
 
  *****
 
「んっ…ぅんんっ!!」
 
足音も立てずれいなと絵里の背後に回り、わざとらしく咳払いをするガキさんこと新垣里沙
 
「あ、ガキさん。いらっしゃい」
「んん〜?…ぅんん?」

咳払いから唸り声に変わった里沙の不審な動き。
そのまま振り返った絵里の顔面をまじまじと覗き込んだ。
 
「あの…な、何か?」
「新人さん?」
「あ…はい…そうです、けど…」
「ふぅ〜ん」
「あ、あの…な、何か…」
ガキさん…なんメンチ切っとーと?」
「田中っちじゃないんだから!」
「いや、さすがのれいなも初対面の店員に至近距離でメンチ切るような輩やないし…」
「だからぁ〜別に睨んでるワケじゃなくってぇ〜」
「あ、すいません!自己紹介が…あの、昨日から入った亀井絵里です!」
 
ペコリと頭を下げる絵里。
 
「あ、あぁ〜アタシはそこの向かいの本屋で働いてる新垣里沙。よろしくね」
「あ、はいっ!よろしくお願いします!」
 
もう一度頭を下げる絵里。
 
「で、ガキさんは何しに来たと?」
「何って買い物に決まってるでしょーが」
「んじゃ、ついでに雑誌のプロの並べ方を教えてあげてほしいっちゃけど」
「なーんでアタシが?!」
「やってガキさんいっつもれいなの並べ方にケチつけるやん」
「そーれーはぁー田中っちのやり方が雑だからでしょーが!!だいたいねぇ雑誌コーナーって言うのはその店のレベルを測る上で最も重要な場所と言われててね?ココの質がイコールその店全体の質と言っても過言ではないワケ!わかる?まずこの並べ方!めちゃくちゃに重なり合ってるから表紙が見えない!それから!田中っちのジャンル分けが大雑把すぎるの!」
 
いきなり始まった里沙の怒濤のレクチャーに唖然とする絵里。
その隣でおもむろに週刊少年チャンプを読み出すれいな。
 
「入口に近い端から順番に!!隣り合う雑誌の重なり方も均等に!!タイトルが隠れないように大きさも考慮しながらぁ〜遠くから見てもキレイに!!」
 
とめどなく語り続けながらテキパキと雑誌を整えて行く里沙。
 
「この号、もう読んどったと」
 
とつぶやいて次に女性向け雑誌のhaanhanに手を伸ばすれいな。
 
「下の棚に平積みする雑誌は分厚いものから順番に!!置く向きはこうねっ!!その方がお客様から見えやすいの!!あぁ〜、間違ってもこーゆー風には置いちゃダメだからねっ!!素人はすぐこう置きたがるんだけどダメだから!!」
 
止まらない里沙の動きと口にそろそろ着いて行けなくなりそうな時、絵里の肩がちょいちょいと叩かれた。
 
「絵里、グッジョブなの…」
 
振り向くとそこには満足そうに目を細めてニヤリと笑うさゆみ。
僅かにつりあがった薄いピンク色の唇の端になぜだか黒い雰囲気を感じてしまった絵里は一歩後退る。
 
「えっ?な…なに?」
 
距離を置く絵里を追いかける様に絵里の耳元に唇を寄せて囁いた。
 
「れいなとガキさん引き離し作戦、成功なの」
「へ?引き…離し?」
「そう。ガキさんってばいっつも雑誌を並べながられいなに寄り添ったり、手とかも掴んだりするんだもん…」
 
顔を離して、絵里の背後でまだ雑誌を並べている里沙の背中を見やるさゆみ。
 
「そうなんだ…」
「そうなの。さゆみ、いつもヤキモキしてたんだから…」
「付録が付いてる雑誌はこーゆー風に紐で結ぶんだけどさぁ…あ〜…この紐の結び方がなってなぁ〜い!!もうね、全然なってないよね!!まずこの結び目!!これ結んだのって田中っちでしょーってぅぉおおぃっ!!田中っちぃぃぃっ!!!!」
「ん?レクチャー終わったと?」
「アタシが雑誌片付けてるそばから雑誌を立ち読みしなーいっ!!!!」
「いや…ガキさんの話、長いし、勝手に片付けてくれよったけん…」
「アタシはココの店員じゃないでしょーがぁー!!!!」
「うん。まぁ、そぉやけど…」
「これがウチの名物、“ガキさんのノリツッコミ”なの…」
「へ…へぇ〜…」
「ってか、大体キレイになっとーやん!ガキさん、ありがと!」
 
読んでいた雑誌を棚に戻しながら、超笑顔で里沙へのお礼の言葉を掛けるれいな。
 
「ゃ…ま、まぁ…アタシも、なんてゆーか…雑誌の片付けとか?すすす好きだし?みたいな??」
 
キラリン☆といった効果音が聞こえてきそうな程のれいなの爽やかスマイルに俯き加減で呟く里沙。
ほんのり頬を染めるその様はまさにツンデレの真骨頂であった。

「これもウチの名物のひとつモジモジするガキさん、略して“モジガキさん”なの…」
「ほ…ほぇ〜…」
「んじゃ、ガキさん。ついでにあそこのコーナーも整理するったい」
 
そう言ったれいなの爽やかスマイルに少しだけ翳りが混じり、瞳の奥が先程とは違った色でキラリン☆と光る。
れいなが指差す方向に振り返った里沙は違った意味で顔をさらに赤らめた。

「へ?…って!!なぁんで!!!?なぁんでアタシがそこまでしなきゃいけないのさ?!!!」
「いや、だけんついでやしw」
 
れいなが言うそのコーナーとは、 成 人 向 け 雑 誌 のコーナーだった。
 
「れいなも手伝うけんwなんなら絵里も勉強のため一緒に片付けるしw」
「へっ?!絵里もですかぁ??」
「いやいやいや、アタシ、あーゆーのは全然わかんないから!できないから!触れない約束になってるから!!」
「そんな約束初めて聞いたの…」
「いや、別に、こっちっ側の雑誌と同じ要領でやればいいやんw」
「違うから!たぶん違うのだ!!」
 
顔も手もブンブン振り乱しながら全力で否定、拒否、拒絶、驚愕する里沙。
その様子がおもしろくてしかたがないれいなは、問題のコーナーから1冊抜き取って里沙の眼前へと突きつける。
表紙には半裸でハァーンな感じなカメラ目線のお姉さん。
 
「これ、付録付いとーみたいやけど紐で縛っとらんけん、ガキさん縛ってみてよwww」
「そそそそそそ…そんな事っ!!ででででできできないのだっっっっーーーーーー!!!!」
 
おでこまで真っ赤にした里沙はそう叫んで逃げるようにコンビニから走って出て行ってしまった。
その時に、まだ開ききっていない自動ドアに両肩をぶつけて「うぉっとぉ!!」と叫んでいた姿にれいなはバカウケする。
 
「もぅ…れいなはそうやっていっつもガキさんからかってばっかりなのwww」
「やって、ガキさんおもしろいんやもんwww」
「さゆみのコトは全然かまってくれないのにね」
「やって、さゆとかエロ本見せたって別に驚かんし」
「そういうコトじゃなくて!さゆみはもっとれいなにさゆみのコトを見てほしいのっ!」
「あー、見とー見とー。めっちゃ見とーよ、さゆのコト」
「んもぅ!れいなテキトーすぎなの!」
 
一方的にいちゃこらしているれいなとさゆみを見つめつつも、れいなが持ったままの雑誌が気になってしかたがない絵里。
その雑誌のせいでふたりの事をまともに見れない絵里はずっと下を向いて、れいながそれを棚に戻すのを待っていた。
 
「ん?亀井さん??どうしたと?」
 
さっきから黙り込んでいる絵里の様子に気が付いたれいなが、そっと絵里に歩み寄る。
もちろん、手に表紙が半裸のえっろいお姉さまがウッフーンな雑誌を持ったまま。
 
「いぃぃいや!!ななな、なんでも!ないです!!!!」
「そ?やったら、一緒に片付けると。結局ガキさん最後までやってくれんかったし」
「はははひぃ?!え?えっ?絵里がですか?」
「うん。やって亀井さん、ガキさんが片付けとーの見とっただけやろーし…って亀井さん??」
 
れいなが不思議そうな表情で絵里の顔を覗きこむ。
 
「ふぁいぃ?!」
「絵里…もしかして…」
 
れいなに続いてさゆみも絵里にグッと近づく。
 
「照れとーと?」
「照れてるの?」
 
図星を突かれてボッッと顔に火がついちゃった絵里。
それを見てれいなとさゆみが囃し立てる。
 
「うわっ!亀井さんチョーカワイイwww」
「絵里…ズルいの…その反応はカワイイの…」
 
 
それからその日は最後の最後までれいなとさゆみにエロネタでからかわれ続けた絵里。
 
 
バイト2日目
絵里の中のれいなに対する印象が優しいからイジワルに変わった。
 
 

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ガキさんは永遠にエロネタNGなキャラであってほしいwww
 
 
続く!かもねーwww